松浦祥子
新型コロナウイルス対策の布マスク(通称・アベノマスク)を巡る訴訟で敗訴した国が、調達した業者ごとの単価や枚数を開示したことを受け、原告の上脇博之・神戸学院大教授と代理人弁護団が24日、記者会見した。業者や時期によって単価に約2・5倍の差があったことについて、上脇氏は「競争が働かず、業者に有利な形で話が進んだ結果だ」という見方を示した。
開示文書などによると、国は2020年3~6月、業者17社と計32件の随意契約を結び、3億枚超のマスクを約442億円で調達した。弁護団が分析したところ、単価は①税抜きで62・6~150円②同年3月に参入した6社(120~150円台)と、後に参入した11社(100~120円台)で違いがあった――ことなどが分かったという。
上脇氏は、単価が300円から130円に下がった業者について「業者の言い値で契約したが、他の業者と比べて高すぎたため、変更したことが予想される。価格交渉は十分だったのか、癒着はなかったのか疑問が残る」と述べた。
上脇氏は国を相手取り、業者との契約過程を記録した文書の開示を求める訴訟も大阪地裁に起こしている。(松浦祥子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル